2023.05.08

新型コロナ禍を経て◆美容部員の現状や、今求められていることって?(2023年5月更新)

2020年初頭世界中が新型コロナウイルスの影響を受け、日本国内でも百貨店などの商業施設が休業や営業自粛になりました。緊急事態宣言が明け、百貨店、駅ビル、モールなどほとんどの商業施設で営業再開してからも、美容部員の接客方法・働き方が大きく変化。タッチアップやテスターの使用にも制限が生まれました。
そして2023年5月現在、季節性インフルエンザと同じ位置づけの『5類』に移行した今、お客様との向き合い方や採用状況もコロナ渦から「アフターコロナ」に転じつつあります。「コロナ禍」において変化した美容部員仕事、今の美容部員に求められている事とは何なのか見ていきましょう。

現在の美容部員の接客・店舗状況

2020年~2022年◇タッチアップの自粛、テスターの撤去

2020年4月に出された緊急事態宣言が明けた後は、百貨店や駅ビル、ショッピングモールなどの商業施設で営業が再開。しかし、タッチアップ(美容部員がお客様の肌に触れメイクやスキンケアを施すこと)を自粛している店舗・ブランドがほとんどで、感染リスクを減らすために接触を避けた接客が中心となりました。また、テスターを撤去したブランドも多く、商品を試したい際には美容部員に声をかけ、商品には直接触れないよう使い捨てのスポンジやブラシなどを活用する状況でした。

2022年以降も、限られたスペースでのみタッチアップ可能になったりと若干の緩和が見られたものの、マスク、マウスシールド、ゴーグルを着用のうえ、タッチアップする等、まだまだ制限を設けた中での店頭活動が続きます。

2023年5月現在

2023年5月8日、新型コロナウイルスの分類が『2類相当』から『5類』に引き下げられ、インフルと同等の扱いで感染対策は個人の判断に委ねられるようになりました。
そんな中で、化粧品売り場は日に日に賑わいを見せ、タッチアップの機会も戻って来ています。特にマスク着用が緩和された2023年3月以降、客数が増加。マスク外れたことで口紅・リップ製品・ファンデーション・チーク等の需要が伸び、メイクのタッチアップも増えているんだとか。

マスクの着用状況

コスメブランドや百貨店によってスタンスはまちまち。
化粧品会社側の規則ではマスク着用は任意になっていても、百貨店の規則ではマスク着用が必要というケースもあります。なかには、お客様の状況に合わせていつでも付けられるように準備はしておくという声も。お客様に対してできることは増えたけど、まだ美容部員のマスク着用やアルコール消毒は依然と継続している場合が多いようです。

インバウンドの客数・売上も回復傾向に!

コロナ前ほどではないものの、インバウンド需要も拡大中。
今後ますます海外観光客が増えることが見込まれ、「通訳」として活躍する美容部員募集も各ブランドで始まっています。

現役美容部員・BAさんに現状を聞きました!

「顔に直に触れてタッチアップできることがほとんどで、コロナ前に近い状態で接客しています。」

「今まではリップ等、お客様自身で塗っていただいていましたが、3月以降、積極的にタッチアップOKになりました。タッチアップに関しては大きな変化を感じています。」

「以前はタッチアップできる時間が決まっているなど、制限があったものが緩和され、じっくり接客できるのでその分商品をプラス出来てやりがいにつながります。タッチアップできることで、製品やメイクによる変化をお客様に実感してもらえて嬉しいです。」

新型コロナウイルス対策を機にスタートした各社の取り組み

@cosmeを運営するアイスタイルグループによる新たな試み『オンライン美容部員プロジェクト』

日本最大級のコスメ・化粧品・美容の総合情報サイト『@cosme(アットコスメ)』を運営する株式会社アイスタイルでは、2020年7月、新型コロナウイルスの感染拡大によって化粧品メーカーや、美容部員が抱えている課題を解決するために「オンライン美容部員プロジェクト」を開始しました。
・オンライン美容部員の委託・育成サポート
・店頭スタッフのデジタル接客を可能にするサービス「STAFF START」の化粧品ブランドへの導入サポート
・オンライン美容部員サービスに関する調査や情報提供を行うオンライン美容部員研究所の立ち上げ
などの取り組みを行っています。

現役美容部員による、オンライン上での商品提案

コーセーの取り組み

2020年3月25日には株式会社コーセーが、化粧品業界で初めて店舗の美容部員(販売スタッフ)がデジタル接客を行うアプリ「STAFF START(スタッフスタート)」を導入。コーセーの総合美容情報サイト「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」にて、STAFF STARTを活用した店頭で働く現役の美容部員のメイク画像や、スキンケアアイテムの紹介画像などの投稿を行っています。

投稿する美容部員の特徴に、年代や肌質や肌色などの情報に加え、一重まぶた・二重まぶた・奥二重かなど、まぶたのタイプ情報も記載されており、サイトに訪れたユーザーは自分自身の肌質や特徴、顔立ちにあったそれぞれの美容部員のメイク投稿を参考にし商品を選ぶことが可能に!
雑誌やモデルではない等身大の「店頭で働いている現役の美容部員」の投稿は、身近なお手本となりオンライン上であっても自分に合った化粧品を選ぶ事ができます。

パーソナルカウンセリングサービス『Clarins & Me』(クラランス)

フランスのラグジュアリーブランド「クラランス(CLARINS)」でも、パーソナルカウンセリングを行うサービス『Clarins & Me』が始動。電話やビデオ通話で、現役の美容部員のほかメイクアップアーティストなどがカウンセリングを行います。肌やボディ悩みなど自分の目的に合わせたコースを選択し、希望の日時を予約して15〜30分間のパーソナルカウンセリングを受け製品やケア方法についてアドバイスを受ける事ができるというもの。店舗がないエリアや、店舗になかなか足を運ぶことができない人にとってはお家にいながらクラランスのカウンセリングが受けられる魅力的なサービスなんです!

今後の美容部員採用の傾向とは?

店頭タッチアップの自粛、ECでのコスメ販売が進むなか、店頭で直接お客様と触れ合う接客はなくなってしまうのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
実はECでのコスメ販売が普及している今だからこそ、「体験」を大事にするブランドもたくさんあります。また、美容部員からカウンセリングを受けたり、商品を試しながら相談をしたいという対面による接客ニーズは、コロナ禍を経てますます高まっているのではないでしょうか。
「体験型」の店舗とはどういった店舗の事か詳しくみていきしょう。

「体験型」店舗の特徴

最近では、店頭での「体験重視」の店舗をオープンするブランドも増え、それに伴って採用が多い傾向があります。
例えば、化粧品づくりを公開する「オープンラボ」がある「アルビオンフィロソフィー」(2020年6月にニューマン横浜にオープン)、2020年1月に原宿駅前にオープンした@cosmeのネットの世界とリアルの体験が融合する新しい体験型店「@cosme TOKYO」、イスラエルから直輸入したウォータースタンドでのスクラブ体験が魅力の「SABON(サボン)」などで求人募集が多くありました。

そのほか、百貨店ブランドが揃うセミセルフ型コスメショップ「ISETAN MiRROR(イセタンミラ―)」、百貨店ブランドから人気ボディ・ヘアケア、ヘアアクセなどの小物まで揃う豊富なラインナップが魅力の「フルーツギャザリング」など、ブランドの垣根を越えて複数のブランドやコスメを自分自身で比較検討できる店舗が増えてきています。
ブランドごとにブースが分かれている百貨店とは違い、自分に合うコスメを自分のペースで見つけることができる魅力があり、店舗の増加に伴い採用も増えてきています。

「買い手市場」から「売り手市場」へ、いま求められる美容部員とは。

新型コロナ禍のなかで美容部員の採用状況も変化しています。
「体験型店舗の増加」と「オンライン美容部員」という相反する新しい流れのなかで、いまの美容部員にはどんなスキルが求められるのでしょうか?
現在の化粧品業界の採用状況と、「店舗」「オンライン」どちらでも活躍できる美容部員の秘訣をみていきましょう!

「買い手市場」から「売り手市場」へ

新型コロナウイルス感染症拡大にともない多くの企業が採用中止や採用計画の見直しを余儀なくされ厳しい状況がありましたが、現在は各社ともに美容部員求人の募集が再開しています。店頭活動が活発になるとともに、人手を必要とする企業が急増中。
新型コロナ禍、「企業が求職者を選ぶ=買い手市場」だった状況から、「求職者側が企業やブランドを選べる=売り手市場」に移行しました。つまり、企業の採用枠数に対して転職希望者の数が少なく、転職希望者が優位な状況と言えます。

また、厚生労働省が発表した1人の求職者に対して求人が何件あるかを示す有効求人倍率(季節調整値)は、2023年3月時点で1.32倍。世の中全体でも売手市場であることがわかります。
しかし、採用面では採用基準がコロナ禍以前より上昇している点は続いています。それはコロナ禍によって影響を受けた他業種・他業界からの応募も増加したことで、美容部員・化粧品販売未経験者からの応募も増加し、企業側も「即戦力になり得る経験者を採用したい」「接客のスキル・マナーがある人を採用したい」という傾向があるからです。

しっかりとブランドを理解して言葉で商品の魅力を伝えられること

「コミュニケーション能力」が最も重視されています。体験型店舗が増加していること、採用基準が高まっている事、なによりタッチアップが自粛されている事もあり、製品の魅力を自分の言葉でしっかりと伝えることができる人はとても魅力的に映ります。

その他、売手市場であっても美容部員経験者や接客販売経験者が即戦力として有利なことは変わりません。そのため、しっかりと職務経歴を記入して自分の経歴をアピールする事が大切。未経験者も、他の業界での販売経験や、今までの経験の中でコミュニケーション能力を発揮したことをアピールしていきましょう。

「売り手市場」での求人の探し方

スポット的に募集が掛かったり、昨日までなかった募集が突然再開する事も多いです。
紹介可能なブランド1日刻みで変動するので、要チェック。
急な募集はアットコスメキャリアのサポート付き求人でも取り扱いがあるため、サイト内をよくチェックしてみてください。

応募の際は、繰り返しになりますがプロフィールや経歴など自分をアピールできることはしっかりと書いておきましょう!

いまの状況をもっと詳しく聞ける、セミナーに参加しよう!

アットコスメキャリア主催の美容部員への転職セミナー

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ぜひチェックしてみてください!

アットコスメキャリア編集部 秋山

アットコスメキャリアに新卒で入社した5年目。学生時代は外資系コスメの販売スタッフと、美容雑誌の編集アルバイトを経験。

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