2024.07.26

香りを作る仕事!調香師になるには?

香水をはじめ、ヘアケア製品、スキンケア、洗剤などなど…世の中には香りによって個性や魅力を引き出す製品がたくさんあります!
その香りを創る仕事は誰がしているのかというと、調香師です。
ありとあらゆる香りの原料を調合して一つの香り(フレグランス)を作り上げ、製品に魅力を与える調香師とはどのような仕事なのでしょうか。
本記事では、調香師の仕事内容や、なるための方法、収入や将来性などを紹介していきます!

目次~この記事でわかること~

■調香師とは?
■調香師の仕事内容
■調香師の働き方
■調香師になるには
■調香師の年収とキャリアコース
■まとめ

調香師とは?

調香師とは、香水や化粧品、日用品、食品など多くの製品に使用されている調合香料(フレグランス)を作る職種です。
多種多様な香料のなかから使用するものを選び、改良を繰り返しながら製品の条件に適した香りを生み出します。
調香師は、扱う製品によって名前が異なります。

パフューマーとフレーバリスト

調香師には2種類あり、香水や化粧品の香りを作る人をパフューマー、飲食物の香りを作る人をフレーバリストといいます。
具体的には、パフューマーは香水、シャンプー、トイレタリー製品などに配合する香料を、フレーバリストは食品や飲料、歯磨き粉などに配合する香料を調香します。
「香りを作る仕事」というとパフューマーの方を想像される方が多いと思いますが、
現状日本ではフレーバリストの方が需要が多く、フレーバリストとして活躍する調香師の方が多いようです。

調香師の仕事内容

調香師は自身のセンスを自由に駆使して香りを作っていくクリエイティブなイメージがありますが、
実際には依頼主から「こんなコンセプトの商品に合う、こんなイメージの香り」といったリクエストを忠実に再現することが多いです。

依頼主の抽象的なイメージを正確に再現するために、事細かなヒアリングをした上で数千種類もの香料から適切なものを厳選し、レシピを作っていきます。
香りのサンプルが出来上がったら依頼主に確認してもらい、フィードバックに応じて改良を重ねます。
この改良の回数は各プロジェクトによって異なりますが、1つの依頼を受けてから最終的に完成した香りを作るまでは数年かかることも!
調香師は香りのセンスだけではなく、依頼主の抽象的なイメージを具現化する能力や作業の正確さ、何度やり直しを求められてもくじけない根気が必要な仕事なのです。

調香師の働き方

調香師になったらどんなところで働くのでしょうか?

香料会社、化粧品会社、食品メーカーなどの会社の研究部門に所属

一番多いのが会社に所属して調香師として働くパターン。
ここでは自分の発想通りの好きな香りを作るということはほぼなく、顧客のリクエストに従って香りを調合します。
香りを作る過程で、依頼主へのヒアリングやサンプルについての意見を聞く会議に出席したりする場合もあれば、依頼主の対応は別の担当者がおり、その担当者と連携して調香だけを担当する場合もあります。
例外として、大きな化粧品ブランドの専属調香師として所属する「お抱え調香師」となって自分のセンスを存分に発揮するパターンもありますが、
これは世界的に有名な調香師になった場合に限りますので、かなり狭き門のようです。

ちなみに世界三大調香師と言われているジャック・キャバリエさんは、かの有名なルイヴィトン(LVMHグループ)のお抱え調香師として活躍されています!

フリーランス調香師として独立

こちらは調香師としての修業を積んだ後、自分の香水ブランドを作るパターン、
もしくはフリーランスとして企業からの依頼を受けて香りを調香するパターンです。
収入が不安定になるリスクはありますが、有名になると企業に所属する以上の年収が狙え、またブランドを立ち上げる場合は自分の感性やスタイルを貫けるという特徴があります。

フレグランスショップなどに勤務

最近は店舗の中にラボ(調合室)が併設されており、お客様が香水を購入する際にその場で調合するLE LABOのようなブランドもいくつか出てきています。
そのブランドが取り扱う既存の香料を使い、特定のレシピに従って調合をするため、
今回ご紹介した働き方の中では一番シンプルな業務内容になるでしょう。

調香師になるには

調香師になるために必要な資格や学歴などはないものの、かなり専門的な仕事であることは間違いありません。
調香師になりたい場合のおすすめのステップをご紹介します。

ステップ①学ぶ

香りを作るときには莫大な種類の香料の名前やその香りの特徴、分子構造などを覚え、またそれらを調合するとどうなるか予測する化学的知識が必要になります。
そのため、以下のような場所で調合に関する知識を習得することがおすすめです。
①大学や大学院で化学・薬学を専攻
②調香師育成のための専門学校に通う
理系の勉強は苦手…今から大学に通いなおすのはちょっと…という方は、専門学校への通学を検討してみると良いでしょう。
日本にも意外と調香師を育成するための専門学校はありますので、気になる学校を調べてみてください!

ステップ②香料会社に就職して修業する

調香師としてどんな活動をするにしろ、調合の経験を積むためにまずは香料会社または化粧品会社に「調香師の卵」として就職します。
まずは先輩調香師のアシスタントとして勤務しながら勉強し、少しずつ実際の製品に使われる香りの調合を任されていきます。
一人前の調香師になるには、数年〜10年ほどかかることもあるのだとか!

調香師の年収とキャリアコース

厚生労働省のデータによると、調香師の平均年収は554.1万円となっており、全国平均よりも若干高いくらいの水準です。
調香師としてキャリアアップ、年収アップしていくためにはどんな方法があるのでしょうか。
参考サイト:https://agaroot.co.jp/job/perfumer/(厚生労働省)

社内で昇進する

調香師というと職人業のようなイメージを持ちがちですが、企業の研究部門に勤めている場合は管理職や研究所の所長などを目指すパターンも大いにあります。
現場で調香師としての実力を磨いたあと、後輩調香師の育成や会社全体の事業企画に関わっていくような形にシフトチェンジしていきます。
このように管理職としてステップアップしていく場合は、調香のスキルだけではなく、マネジメント力やコミュニケーション能力、マーケティング能力が求められていきます。

海外の香料会社も視野に入れて転職

調香師としてのスキルを極めていきたい!という場合には海外の香料会社への転職を視野に入れると良いでしょう。
日本よりも海外の方が香水市場規模ははるかに大きいため、調香師の需要や活躍のチャンスも当然海外の方が多いです。
日本とは違うマーケットで求められる香りを作ることも、調香師としての良いスキルアップの機会になります!
ただし海外への転職を目指す場合は英語や転職先の国の第一言語を学ぶことが当然必要となってきます。

フリーランスとして独立

香水好きの中では「調香師買い」という言葉があるほど、調香師の存在は昔よりも注目されるようになってきています。
※調香師買い※
ブランドや香りの好みに関わらず、「あの調香師が作った香りなら間違いない!」と信用して製品を購入すること。
そこまでではなくとも、調香師としての実力に自信がついてきたときには自分のブランドを立ち上げたり、自分で案件をとってきて活動するようなフリーランス調香師の道もあります。
この場合は企業に所属している時とは違って営業・企画・事業経営すべてを自分で行うため、経営全体の知識も勉強すると良いでしょう。

調香師は狭き門…でも香りにかかわる仕事がしたい!と思ったら

ここまで調香師の仕事内容やなり方について見てきましたが、
・大学で化学・薬学系分野を専攻したり、専門学校を卒業する必要がある
・一人前の調香師になるには数年~10年の期間がかかる
といった形でなかなか狭き門、遠い道のりであることが分かりました。
だからといって香りに関わる仕事を諦めたくない!という方、フレグランスアドバイザーの仕事から初めてみてはいかがでしょうか?

実は私も調香師を夢見て挫折した多く(?)のうちの一人で、フレグランスアドバイザーからキャリアを始めました。
もちろん調香師の仕事に直結しているわけではないですが、
仕事を通して自然と香水についての知識が身につき、香りの組み合わせについてのセンスも磨かれたため、香りに関する資格にもそれほど勉強せず合格できるといったメリットがありました!
また、調香師の場合はラボ(研究室)という閉じられた空間で働くことがメインですが、
フレグランスアドバイザーとして大好きな香水な香水に囲まれた華やかな環境で働けたことも結果としては良かったと思っています!

アットコスメキャリアでは多くのフレグランスブランドの求人がありますし、
キャリアに悩んだ際にはプロのキャリアアドバイザーの無料転職相談もありますので
是非お気軽に相談してみてくださいね!

アットコスメキャリア編集部 小泉

10年以上美容業界一筋。1児の母。
美容部員からキャリアコーディネーター・人事を経てフリーランスの香水コンサルタントへ転身中。
美容業界で働く人、採用する人の両方の視点からお役に立てる情報を発信します!

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