妊娠がわかったら◇妊娠中の業務
美容部員(化粧品販売)の仕事は長時間の立ち仕事が基本。妊娠発覚後は、体調を第一に考えながら職場の理解を得て勤務することが大切です。そのためにも、妊娠したことを上司(職場)の方に伝えるのは、できるだけ早めがおすすめ。状況に応じてシフトの調整、休憩時間、業務内容などを相談しましょう。
実際に行われているサポート事例
・交通機関の混雑時間帯を避けた出勤時間の調整
・連勤が続かないようなシフト組み
・重い荷物を運ぶ納品作業などを控える
・遅番を減らし、夜遅くまで残業にならないようにする
・つわりが辛い時にバックヤードの業務に切り替え
・休憩回数を増やす
・座って接客できるようにする
このように、体力的な負担を減らす配慮をしてくれる場合がほとんどなので安心してくださいね。制服はマタニティー用のものが支給され、ヒール着用はしなくていいなど、身だしなみについてもフォロー体制があります。
産休・育休ってどんな制度?
一言で「産育休」「産休育休」とまとめられがちですが、それぞれ制度は異なるもの。条件や休める期間などの違いを詳しく見ていきましょう!
産休とは?
出産前の準備や出産後の体回復のための休業。「産前休業」と「産後休業」を合わせて“産休”と呼びます。
産休の取得条件
・出産前後に母親のみが取得可能
・入社時期や週の勤務時間・雇用形態に関わらず、出産する人は誰でも取得できます。
※産前休業の取得は任意なので、本人が希望すれば出産直前まで働くこともできます。それに対して産後休業は必ず取得しなくてはいけません。
産休の期間(いつからいつまで?)
<産前休業>
出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から開始日を自由に決めることが可能。
<産後休業>
出産の翌日から8週間まで。
※基本的に産後8週間は就業することはできません。ただし、産後6週間を過ぎたら、本人が希望し医師が認めた場合は復帰できます。
育休(育児休業)とは?
育児に専念するための休業制度。育児をする目的で父母ともに取得できます。
育休(育児休業)の取得条件
・男女とも取得可能。
・アルバイト・パートや契約社員など非正規社員の方も、一定の要件を満たしていれば取得できます。(※日々雇用の方は対象外)
育休の期間(いつからいつまで?)
女性は産後休業が終わった翌日から子どもが1歳になる誕生日の前日まで。男性は、子どもが生まれた日から1歳の誕生日前日まで取得できます。
※子どもが1歳以降も、保育所に入れないといった事情がある場合は、最長2歳まで延長することができます。
企業オリジナルの育休(育児休業)制度
<ロレアルグループ>
子どもが3歳になるまで延長可能。また、妊活支援としてウェルカムバック制度(退職後3年間は復職できる制度)も!
<THREE・ITRIM・Amplitude>
正社員登用後は3歳になるまで育児に専念できる。
<資生堂>
子どもが満3歳になるまで、通算5年まで育児休業を取得可能。妊娠中から出産後の職場復帰までのプロセスを上司と確認し合えるようなコミュニケーション体制「チャイルドケアプラン」も整備。
パート・アルバイト・派遣でも取得可能!ただし条件に注意
産休は雇用形態を問わず取得できますが、育休は少し異なります。
パート・アルバイト・派遣など、有期雇用の方の育休(育児休業)取得条件は、「子どもが1歳6か月以降も引き続き雇用される見込み(労働契約期間が満了し、不更新とならない)」であることが条件。
これは正社員などの無期雇用労働者と同様の取得条件で、2022年4月に育児・介護休業法が改正されました★
※雇用された期間が1年未満の場合など、労使協定の締結によって例外もありますので、勤務先の規定を確認しましょう。
派遣社員の場合は基本的に派遣元の育児休業制度に準じますが、契約期間の終了時期や休業期間などを確認しておくと安心です。
給与はもらえる?産育休(産休育休)中の気になるお金事情
産育休(産休・育休)期間中は基本的に給与は支払われませんが、給料の5~7割に相当する手当金や給付金を、健康保険や雇用保険から受け取ることができます。ここからは、産休・育休中にもらえる手当について解説します。
出産手当金
出産のために会社を休んだ際に支給される手当のことで、加入している健康保険から支給されます。(※被扶養者、国民健康保険の被保険者は対象外)産前42日から産後56日までの間の欠勤1日につき、給料の3分の2相当額が支払われます。
出産育児一時金
加入している健康保険から1児につき一律42万円支給されるもの。被扶養者など公的医療保険に加入するすべての女性が対象です。
育児休業給付金
育児休業中に国から手当が支給される制度。産後休業終了の翌日から子どもの1歳の誕生日前日まで、一定の要件を満たす場合は2歳まで支給されます。
福利厚生の一環で一時的な支給がある場合も。
出産手当(出産祝金)など一時的な支給がある会社もあるようです。産休育休の申請とあわせて、会社に確認してみましょう。
美容部員へ復帰後の働き方!仕事と子育てを両立
時短勤務の選択
産育休(産休育休)を終えて、美容部員へ復帰したい!と思っても、子どもはまだまだ手がかかる時期。シフト制の美容部員(コスメ販売)業界で育児との両立は難しいのでは...と不安になる方もいますよね。
でも大丈夫!現在、美容部員・化粧品販売職でも時短勤務(短時間勤務)制度を多くの先輩ママが活用しています。例えば、早番メインで1日5~6時間程度の時短勤務で働き、保育園のお迎え時間に間に合うように退勤というスタイル。
短時間勤務制度が利用できるのは通常『子どもが3歳の誕生日になる前日まで』ですが、3歳以降も時短勤務できるような制度を設けているブランドがたくさんあります!
独自の時短勤務制度があるブランド
<日本ロレアル>育児時短制度は子どもが10歳になるまで最大1日2時間、所定労働時間を短縮可能。
<ちふれ>小学校3年生終了までの間、1日6時間まで短縮可能です。
<フルーツギャザリング>子どもが6歳の誕生日を迎えるまで勤務時間短縮可能
<資生堂>子どもが小学校3年生(9歳の3月末)まで、1日最大2時間の勤務時間を短縮可能。子どもが1歳に達するまでは、短縮した勤務時間のうち1時間分は有給となります。
<SHIRO>子どもが中学校卒業まで、月の就業時間を110時間~150時間で働ける制度を適用できる。
ブランクがあっても美容部員・接客販売経験者は歓迎されることも!
育児に専念するため一度退職し、ブランクがある場合でも、美容部員や接客販売経験者であれば歓迎されやすい傾向が!なかには退職後に「また働きたい」と希望する方を迎えるカムバック制度を利用する方法もあります。美容部員として働きたい!コスメ販売が好き!という気持ちを大切にぜひチャレンジしてみてください!
長く働ける証拠!?数字で見るママに優しいブランド
育児中の美容部員ママを応援する制度や法律が整っていることはおわかりいただけましたか?
じゃあ産休・育休が取りやすい会社を選びたい!ライフステージの変化があってもキャリアを途切れさせたくない!というのも本音ですよね。
もう1歩踏み込んで、産育休(産休育休)の取得率や、復職率が高いブランドをご紹介しますので、子育てと仕事を両立しやすい職場選びの目安にしてみてくださいね!
<オルビス>産休育休取得率100%!産休・育休取得後の復帰時には、ママ座談会や商品勉強会のサポートあり。
<エトヴォス>産休育休取得実績100%
<ちふれ>育休復帰率100%(2021年度)。残業も全国の月平均2時間程度なので、育児やプライベートの時間を大切にできます!
<フルーツギャザリング>産休女性の復職率100%!安心して戻れる環境があるというスタッフさんの声が多数♪
<THREE・ITRIM・Amplitude(ACRO)>育休復職率90%
<ポーラ>産休育休復帰率はほぼ100%!復帰前に面談をして、希望に沿ったタイミングでの復帰が可能。
まとめ
妊娠・出産にあたって、美容部員を続けることが難しかったり、キャリアアップができないのではと思ってしまいがちですが、女性が多く活躍する職種だからこそ、理解のある会社やブランドが多いのです。一時的に働き方を変える必要もあるかもしれませんが、子育て中の社員をサポートすることで長く活躍してほしいというのは各ブランド共通する想い。
産育休を気持ちよく取得して美容部員を続けるためには、「戻ってきてほしい」と思ってもらえるような日頃の仕事ぶりや、周囲との関係性を築くことも大切です。
活用できる制度を把握したうえで、安心して妊娠・出産を迎えましょう!